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潤風満帆☆ごきげん号!!

潤風満帆☆ごきげん号!!

藤原正彦氏『教育の品格』

今日の『とくダネ!』教育再生プロジェクト(5)は
ベストセラー『国家の品格』の著者
数学者・藤原正彦先生のインタビューでした。

国家の品格国家の品格

私も読みましたが、
なかなかごもっともなこと満載で・・・
その通り!!と
胸のつかえがすっきりしました。

でも、逆に、
もうどうしようもないんじゃないか
という焦燥感にもかられたりしてね。


で、インタビューも痛快でございました!!


63才でいらっしゃるのですが、
じゃあタモリさんと変わらない戦直後生まれ・・・

ご両親ともに作家で
お父さんが新田次郎さん
お母さんは藤原ていさん
娘さんがご両親のことを書かれた本もあります↓
母への詫び状母への詫び状父への恋文父への恋文

インタビューのお話をUPします。
御覧になっていない方へ。どうぞ。

2時間の対談を15分くらいに編集してあるので
カットされた部分も全部聞きたいな~って
とても残念ですが。

テレビ放映での藤原先生のお言葉
ほぼ忠実に聞き写しました。



~藤原正彦先生かく語りき~

<最近の子供>

今の子供は近世になって
世界との相対比較で史上最低

ゆとり教育などの影響で
学力レベルもどんどん落ちてきてる

4~500年前から
日本の子供の学力レベルは世界で
ダントツ一位が続いていて
日本では江戸時代の識字率は50%
同じ頃イギリスでは20~25%の識字率
ということでも一目瞭然。
それが今や日本は
算数でも世界6位に落ちてしまっている


日本には「特別な」「異常な」国柄があった
それによって世界で圧倒的なスピードで
いろんなことを成し遂げて来た

異常な国柄のひとつとして
優れた初等中等教育 特に初等教育

国柄を壊したらもう日本は
普通の国になってしまう
普通の国ではいけない
過去も現在も未来も
日本は異常な国家でないといけない



<いじめ>

子供だけでなく大人にだって虐めはある
いかなる組織も虐め
子供だけの問題じゃない

例えば学校で虐めがあると先生は
「みんなで仲良く」なんて言うけど
みんな仲良くなんてできるわけない
どんな組織だって嫌なやつだらけ
みんな喧嘩していいんですよ
嫌なやつ同士毎日喧嘩してもいいけど
 
大勢で一人をぶっとばす
大きいやつがのが小さいやつをぶっとばす、
男が女をぶっとばすとかいうのは
 
無条件言語道断で NO !!

なぜなら卑怯だから

論理的理由は何もない

ただただ卑怯だ ということを
こういうことを子供の時に
親や先生や大人は
ぶっとばしてでも
子供にきちんとたたきこんで
教えておかなければいけない

それを大人は怠っているんです

子供は子供なりに理屈はある
論理立ててくる

清く正しく美しい子供達
例えば性格がひん曲がってる大嘘つきな子がいたとする
それを大勢で一人を制裁していいじゃないかと
ちゃんとした論理が通ってる

しかし卑怯っていうのは
どんな理由があろうとも NO なんだと
教えないといけない


大人にも責任がある

『市場原理』『自由競争』『規制緩和』

強い者と弱い者が公平に戦うことが重要なんだ
勝った者が全部取っていいじゃないか
これがその市場原理の哲学の根本

中央が地方をやっつけて地方が沈んでいる
中小企業は大企業にやっつけられ
この5年間で中小企業のおやじさん達がどんどん自殺した


こういうことが
大人の世界で標準となっている
グローバルスタンダードですからね
子供だって同じような論理で日常に適応しちゃう



<「卑怯」を教えるには?>

具体策は難しくて ないけれど

傍観してる連中が「いじめ」をつくっていると考えていい

昔は必ず止めたものです
一発二発はり倒すかもしれないけど
「もうそのくらいでいいんじゃない?」とか言って
かばったり とめたりする者がいた

それが今の子は言えなくなってる
みんな傍観者になってる

そういう子供に対して親が

「卑怯者っ!
 お前をそんな卑怯者に産んだ覚えはない!」

と言って母親は涙ながらに叱る
父ははり倒すくらいのことすれば

あっという間に子供に伝わる

問答無用で
弱い者を助けないといけないと
教えないればならない




<命の大切さ>

命の大切さですか?

命の大切さなんてきれいごと
教育学者はすぐ言うが

昔なんて命なんて吹けば飛ぶようなもの
戦前なんて特攻隊にみんな行きましたから
だけどみんな自殺なんかしなかった

要するに卑怯ということを教えて
いじめを起こらないようにして
それと同時に
忍耐力・我慢力を鍛えて
カーッっときて取り乱して
暴力に訴えるようなことがないようにする

もっと前にくるものをやるべき

虐めの結果自殺があったら
すぐそちらのほうがドラマチックだから
みんな注目して騒ぎ立て過ぎますけど
あまり騒がないことですよね・・・
ちょっと騒ぎ立てすぎると思いますね


<子供中心主義>

教育は全て子供中心にすべきということが
日本を最も傷めているんですね

教育という子供を中心にしては絶対にだめなんですね
大人が中心でやんなきゃいけない

今では子供中心が講じて
子供におもねる(=へつらう)状態になってるんです
日本中がね

子供を傷つけることを恐れすぎ

教科書が分厚いと子供を傷つける可能性がある
三桁×三桁が難しいと子供を傷つける可能性がある
じゃあ二桁までにしましょう
円周率3,14も三桁になるから
じゃあ「3」で計算することにしましょうって
(傷つける→出来ないと落ち込ませたり、
 おちこぼれさせるってことですね)

公立小中学校の教室から教壇が消えて
生徒も教師も平等だなんて発想とんでもない

先生より生徒が偉いのは当たり前
親が子供より偉いのは当たり前
当たり前中の当たり前!

基本的人権と間違ってるんですよ
こんなことさえ日本人はわかなんなくなっている

したがって
きちんと教育上観点から親の責任で
子供に厳しくしない親は責任を放棄している

子供が順調に育ち立派な大人になるという
子供の人権を傷つけている
子供を叱らない親を私は許せない

力を持ってでも
小学校に上がるまでにきちんと徹底的にしつけるのは
親の義務である



<子供に教えるなら?>

小学生に算数を教えるとしたら
感激するような授業をしたいですね
その美しさを教えたい

例えばどんなにバカでかい三角形も
小さい小さい三角形、細長い三角形
どんな三角形でも誰がかいたって
内角の和は180度ですよね
何年経っても100万年前も100万年後も
地球が爆発しても
181度ではなく180度ピッタリ!なんですよ

こんなに美しい定理はない

先生が子供に教える時は
その美しさに感動しなければならない

美的感受性っていうのは最も重要な情緒
美しい情緒を育てないといけない

親や先生から伝染するもの

親子で夕日を見たら
お母さんは息をのんで感動して
超嘆息しなければいけない

それを
あ!もう亭主が帰ってくる!
と全力疾走して家に向かう
すると子供も全力疾走するだけの子供になってしまう(笑)

祖国とは国語祖国とは国語



<国語>

算数以上に初等教育で一番重要なのは国語

全ての知的活動の基礎だからです
語彙が豊富なら思考も豊かになる

街で女子高生が話してるのを聞くと、
100か200の語彙で話してる
ってことは、
100か200の思考しかないということ

こんなことでは将来日本は立ち行かなくなる

だからこそ 国語 は徹底的に小学校でする!


小学校の授業がもし一週間100時間あれば
英語でもパソコンでもやったらいい、
国際理解だって福祉・健康だって
みんな美辞麗句ですよね、
でもそれをやっていいんです100時間あれば


でも教育の
カリキュラム考える上で最も本質は何か?っていうと
一週間に二十数時間しかない、
これをみんな国民も教育学者も文部科学省も
それを忘れてしまってるんです

これからは国際社会だから英語が主役であるといって
小学校で英語をやる
これからは情報社会でインターネットが主役であるといって
小学校でパソコンをやる

小学校からパソコンなんかに戯れていたら
日本からパソコン作るやつがいなくなりますよ

ちゃんと算数・数学も勉強して
論理的思考ばっちりして
そうするともう
圧倒的に国語充実して
自ら本に手を伸ばす子を育てるにする


誰が何といってもこれに尽きる!!


寺子屋の先生が
人間のあらゆる知的活動で最も重要なのは『読み』
その次に『書き』
そして次に『そろばん(計算)』だと
江戸時代から教育の本質を見抜いていた

それを世界中の教育学者が見失っているというだけなんです
(終)



~インタビュアーの補足話~


ゆとり教育の出発点は藤原さんのおっしゃる
もののあわれを理解するような(情緒)
そんな余裕をを持とういというところから始まったのに、
結果を見てみると学力低下という悪い結果が目立つ。

藤原先生いわく、
子供にとにかく徹底的に 読書!
活字を追う ということはかなり忍耐力がいること
その忍耐力をつけることが
子供達にとって大人になってゆく上での
いろんなものを乗り越える力にもなるし
算数を解くにも忍耐力が必要なので学力アップにも繋がる


ということでした。


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